原支配人による公演レビュー

2021年12月03日 (金)
【原支配人による公演レビュー】
2021年11月5日(金) Hakuju サロン・コンサート vol.10 宮本笑里&川本嘉子
一夜限り⁉ 宮本💛川本が贈るプレミアム・セッション

宮本笑里さんというヴァイオリニスト、川本嘉子さんというヴィオリスト、一般的にお客様から見て一瞬虚を突かれるというか、驚きの取り合わせのコンサート。そしてお客様を家に誘ったらどんなコンサートになるかというテーマの「サロン・コンサート」でオファーしました。
お客様からすると予想もつかない取り合わせだとお感じになる方が多いと思いますが、詳細は記述しませんが、大きな絆がある事が判明。共演に関して正に相思相愛の関係だった事が分かったので是非に!とオファーさせて頂いたのです。人の繋がりは素敵で、不思議です。
打ち合わせの中でピアニストは宮本笑里さんがツアーやビルボード等でよく共演される浦壁信二さんに決まりました。そして後半のデュオ部分、演奏に花を添える意味でタンゴメドレーの編曲をピアニストで作曲家の森田花央里さんにお願いするという陣容になりました。
1年の延期公演でしたので待ちに待った公演でした。この時期に、延期公演や延期の延期公演等でヴァイオリンの主催公演が続いてしまったからか、思いのほか客足が重かったのは残念でしたが、内容はお二人とも集中力の塊という印象でした。
前半は川本さんからスタート。メジャー曲というよりも大曲を最初に投入し、その後宮本さんは名曲の数々を披露、最後はラヴェルの「ツィガーヌ」という難曲に取り組まれて素晴らしかったです。
そして後半はバッハの「インヴェンション」、モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのデュオの定番曲を聴かせて頂き、最後はタンゴメドレーでした。ジャズ等のジャンルにもレパートリーがある宮本さんと川本さんの動きがシンクロし、お二人の集中力がどんどん高まって行き、会場とお客様が渦に巻き込まれるように感じました。
本業の経営を行いながらコンサートのプロデュースの端くれみたいな事をやっておりますが、お客様の反応を含めて、演奏終了後のお二人の満足、充実感が半端ではなく、冥利に尽きた気持ちにもなれました。
本当に素晴らしいコンサートでした。

Hakuju サロン・コンサート vol.10 宮本笑里&川本嘉子
一夜限り⁉ 宮本💛川本が贈るプレミアム・セッション
2021年11月5日(金) 19:00開演

[出演]
宮本笑里 (ヴァイオリン)、川本嘉子 (ヴィオラ)
浦壁信二 (ピアノ)

[プログラム]
クラーク:古いスタイルのパッサカリア (川本)
ブルッフ:ロマンス ヘ長調 op.85 (川本)
ブロッホ:「ヘブライ組曲」より 第1曲 “ラプソディ” (川本)
カッチーニ:アヴェ・マリア (宮本)
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56 (宮本)
  1.棒踊り
  2.飾り帯の踊り
  3.足踏み踊り
  4.ブチュムの踊り
  5.ルーマニア風ポルカ
  6.速い踊り
ラヴェル:ツィガーヌ (宮本)
J.S.バッハ:「インヴェンション」より (宮本&川本)
  第 1番 ハ長調 BWV 772
  第 4番 ニ短調 BWV 775
  第13番 イ短調 BWV 784
モーツァルト: ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364 より 第2楽章 (宮本&川本)
森田花央里編: タンゴメドレー (宮本&川本)
  ゲーゼ:タンゴ・ジェラシー
  ガルデル:ポル・ウナ・カベサ (首の差で)
  ピアソラ:リベルタンゴ

[アンコール]
ピアソラ(浦壁信二編):オブリヴィオン