原支配人による公演レビュー

2019年03月28日 (木)
【原支配人による公演レビュー】2/2(土)、2/3(日)「中嶋朋子が誘う 音楽劇紀行 第六夜」
2月2日3日、中嶋朋子の音楽劇紀行全6回最終回、ミュージカルを開催しました。
最終回出演者は、ソプラノ三宅理恵、バリトン加耒徹、アーティストサラ・オレイン、中川晃教という超豪華なメンバーでした。
冒頭は2016年のミュージカルハミルトンから始まり、ヘンデル私を泣かせて下さいから、オズの魔法使いよりオーバーザレインボー、レ・ミゼラブル、更にはディズニーアニメもミュージカルだという事で美女と野獣まで。途中キャッツより、メモリーをサラさんが歌う時は、猫のマスクをしながら、音楽監督、ピアノの加藤昌則さんの頭に猫の耳をつける仕草があったり、アイディア、笑いも溢れるコンサートになりました。
今回の中嶋朋子さんは数百年の音楽シーンを見守り続けたミューズ、「マリア・カモメ」に扮してルネッサンスから現代のロックミュージカルまでの解説をして下さいましたが、音楽はグレゴリア聖歌、劇はシェイクスピアに起源を辿り、混迷の時代、世界中が戦争に巻き込まれた時代も音楽劇だけは無くならなかった。時代の変化、映像技術の変化で舞台のみの時代からから映画、映像の時代に。技術が進化しても音楽劇は今も絶えずに形を変えて、オペラ-オペレッタ-ミュージカルと表現が変化しても音楽劇はひと時も絶えずに今の時代に紡いで来られた。それは、人は音楽劇という存在を常に必要としていたから。
これからどんな音楽劇は進化を見せるのだろうか。という締めくくり。
3年に渡り関係者で勉強し、議論して、大変な時間を関係者に割いて頂いた、ハクジュホールの宝物のシリーズはこれで終了です。
演出田尾下哲さん、音楽監督加藤昌則さん、司会の中嶋朋子さんを始めとする、参加者の皆様、ご愛顧頂いたお客様に心から感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。

【出演】
田尾下哲(総合プロデューサー)
中嶋朋子(案内人)
加藤昌則(音楽監督/ピアノ)
サラ・オレイン(アーティスト)
中川晃教(シンガーソングライター)
三宅理恵(ソプラノ)
加耒徹(バリトン)

【プログラム】
―第1部―
●マニュエル=ミランダ:ミュージカル「ハミルトン」より“歴史があなたを見ている”
●ロジャース:ミュージカル「王様と私」より“シャル・ウィー・ダンス?”
●ヘンデル:歌劇「リナルド」より“私を泣かせてください”
●ヴィヴァルディ:歌劇「ティート・マンリオ」より“戦いをしたがる心が”
●アーレン:映画「オズの魔法使い」より“虹の彼方に”
●モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」より“愛の神よ、安らぎをお与えください”
●シェーンベルク:ミュージカル「ミス・サイゴン」より“世界が終わる夜のように”
●シェーンベルク:ミュージカル「レ・ミゼラブル」より“オン・マイ・オウン”
―第2部―
●ワイルドホーン:ミュージカル「ジキルとハイド」より“時が来た”
●ロッシーニ:歌劇「イタリアのトルコ人」より“これ以上に馬鹿げたことはないわ”
●ロイド=ウェバー:ミュージカル「キャッツ」より“メモリー”
●チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」より“あなたを愛しています”
●ルグラン:映画「ロシュフォールの恋人たち」より“双子姉妹の歌”
●スッペ:喜歌劇「ボッカチオ」より“あそこに立っている若者は”
●バーンスタイン:ミュージカル「ウエストサイド物語」より“きっとどこかに”
●トマ:歌劇「ハムレット」より“遊びの仲間に入れてください”
●メンケン:ミュージカル「美女と野獣」より“愛せねば”
●ゴーディオ:ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」より“君の瞳に恋してる”
<アンコール曲>
●加藤昌則:音楽劇紀行