中嶋朋子がいざなう 音楽劇紀行|第二夜
古典派オペラ

バロック・オペラからミュージカルへ ~音楽劇の歴史を追う(全6回)

2016年12月14日(水)

19:00開演(18:30開場)

各回全席指定7,000円(税込)

第二夜のメインテーマは「古典派オペラ」。伸びのある美しい歌唱と豊かな表現力、圧倒的な存在感を誇るソプラノ砂川涼子、オペラだけにとどまらず様々なジャンルで器用に歌い演じ、聴衆の心を魅了するバリトン宮本益光、第一夜から引き続きの出演となる、欧州各地でめざましい活躍をみせる若手カウンターテナー藤木大地、3オクターブを超える音域と圧倒的な歌唱力のヴォーカルとして話題のサラ・オレインが出演いたします。古典派オペラの代表とも言われるモーツァルトのオペラの中でも、代表される「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」。“浮気”という感情があらわになるこれらの作品は、モーツァルトが“男と女”の多彩な感情を見事に音楽で表現している傑作です。モーツァルトのレパートリーを得意とする砂川と宮本が音楽劇の歴史の流れの中でどう表現して聴かせてくれるか、藤木とのアンサンブルにも期待が高まります。そして最後は素晴らしい歌唱力で人々を魅了している、サラ・オレインが、シェーンベルクのミュージカル「レ・ミゼラブル」で感動的に締めくくります。
この豪華メンバーによる第二夜、是非ご期待ください。

[総合プロデューサー]

田尾下哲

[出演]

中嶋朋子(案内人)
加藤昌則(音楽監督 / ピアノ)

砂川涼子(ソプラノ)
宮本益光(バリトン)
藤木大地(カウンターテナー)
サラ・オレイン(アーティスト)

[プログラム]

第1部

【古典派オペラ~モーツァルト】

歌劇「フィガロの結婚」より
スザンナはまだ来ない~楽しい思い出はどこへ [砂川]
もう飛ぶまいぞこの蝶々 [宮本]
自分で自分がわからない [藤木]
早く開けて、開けて [砂川、藤木]

歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より
お手をどうぞ [砂川、宮本]

歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」より
風は穏やかに [砂川、藤木、宮本]
岩のようにじっと動かず [砂川]

第2部

【バロック・オペラ】

モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」より
ただあなたを見つめ [砂川、藤木]

【ロマン派オペラⅠ】

ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」より
私は町のなんでも屋 [宮本]

【ロマン派オペラⅡ】

ビゼー:歌劇「カルメン」より
何を恐れることがありましょう [砂川]

【オペレッタ】

レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」より
ヴィリアの歌 [砂川]

【ミュージカル】

シェーンベルク:ミュージカル「レ・ミゼラブル」より
夢やぶれて [サラ]
彼を帰して [宮本]
ファンティーヌの死 [サラ、宮本]

[プロフィール]

田尾下哲(総合プロデューサー) Tetsu Taoshita, general producer

1972年兵庫生まれ、横浜育ち。第20回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。ドイツ人演出家ミヒャエル・ハンペに西洋演劇、演出を学ぶ。2000年から演出家として活動。03年から09年まで新国立劇場に所属し、オペラ・チーフ演出スタッフを務めた。これまでにアンレアス・ホモキ、フィリップ・アルロー、キース・ウォーナー、ジョナサン・ミラー、野田秀樹等の助手を務める。09年、チューリヒ歌劇場「カヴァレリア・ルスティカーナ / 道化師」で、共同演出・振付を担当しヨーロッパ・デビュー。近年の演出代表作は、オペラでは二期会「チャールダーシュの女王」、「カヴァレリア・ルスティカーナ / 道化師」、びわ湖ホール「リゴレット」、あいちトリエンナーレ「蝶々夫人」、一柳慧新作「ハーメルンの笛吹き男」(作・演出)、日生劇場「カプレーティ家とモンテッキ家」、新国立劇場「スペース・トゥーランドット」(作・演出)、「フラディアヴォロ」(台本・演出)など、ミュージカルではホリプロ「天才執事ジーヴス」、「ボニー&クライド」、東宝「ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド」、フジTV「プロミセス・プロミセス」、リリック「ザ・クラブ」、日生劇場「三銃士」など、芝居では朗読劇「ガラスの動物園」、「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」、「プライヴェート・リハーサル」(作・演出)など多数。15年8月に宮川彬良新作オペラ「ブラック・ジャック」、9月に平幹二朗主演「王女メディア」、12月に神奈川県民ホール40周年記念公演「金閣寺」を演出。今後は日生劇場「後宮からの逃走」など、オペラ、ミュージカル、芝居の演出が控えている。


(C)北山宏一

加藤昌則(音楽監督 / ピアノ) Masanori Kato, music director / piano

作曲家・ピアニスト。神奈川県出身。東京芸術大学作曲科を首席で卒業し、同大学大学院修了。在学中より自作自演による活動を始め、コンクール等にも自演により入選、入賞の経験を持つ。作曲家としても、東京芸術大学打楽器アンサンブルコンサートの学生公募作品の代表として選ばれ初演された他、アジアミュージックフォーラム韓国公演に日本代表として参加など、実績を積む。活動は、その後海外にも向けられ、ロンドンのセント・ジェームス教会(イギリス赤十字社主催)や、イタリアなどでも自作品によるコンサートを開き好評を得る。これまでにNHK-FM「FMリサイタル」、「名曲リサイタル」などに出演、自作品を演奏し、放送終了後、リスナーからの問い合わせが多数寄せられるなど、反響を呼んだ。2001年4月、デビューCD「SOLO」(アートユニオン / ART-3067)を発売。02年10月には、同CDの収録曲の楽譜集も出版。03年1月、女声合唱組曲「5つのソネット」の楽譜を出版し、同年3月、ムジークフェライン・ブラームスザールにてウィーンデビューを果たした。05年6月、日本を代表するクラシカル・サクソフォン奏者、須川展也からの委嘱により、「スロヴァキアン・ラプソディ~サクソフォンとオーケストラのための~」を作曲、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団の東京公演(サントリーホール)で初演され、好評を博した。同作品は、須川展也のアルバムにも収録され(金聖響指揮、東京交響楽団)、また09年3月ブラティスラヴァにても演奏され満場の喝采を浴びた。06年自身初のオペラ作品「ヤマタノオロチ」を発表、日経紙上などで絶賛される。神奈川フィルの定期演奏会で新作「刻の里標石」(ときのマイルストーン)を初演し、高い評価を受けた。(同作品は、08年3月、東京オペラシティコンサートホール開館10周年記念公演にて再演された)07年秋、「個典」を開催。09年4月、宮本益光作詞による合唱組曲「あしたのうた」が音楽之友社より出版された。12年≪福島復興・復活オペラプロジェクト≫作品「白虎」。(13年第11回佐川吉男音楽賞受賞。)13年管弦楽曲「Legends in the Sky」、14年連作歌曲「二本の木」(王子ホール委嘱作品)など話題作を発表。15年NHK全国学校音楽コンクール小学校の部の作曲(作詞:日野原重明)を務める。作品はオペラ、管弦楽、声楽、合唱曲など幅広く、作品に新しい息吹を吹き込む創意あふれる編曲にも定評がある。村治佳織、山形由美、宮本益光、奥村愛など多くのソリストに楽曲提供をしており、共演ピアニストとしても評価が高い。いわゆる「現代音楽」とは全く異なる視点で書かれた、美しく斬新な抒情性に満ちた作品は、多くの愛好者を持っている。独自の視点、切り口で企画する公演や講座などのプロデュース力にも注目を集めている。


(C)北山宏一

中嶋朋子(案内人) Tomoko Nakajima, navigator

東京都生まれ。国民的テレビドラマと呼ばれた「北の国から」で22年の長きにわたり螢役を務める。以後、映画、舞台へも活躍の場を広げ、実力派として高い評価を得る他に、朗読、執筆、講演でも独特の感性を発揮。根強いファンを持つ。エコロジストとしてのやわらかなライフスタイルも注目を集め、そのしなやかな自然観が共感をよんでいる。2009年、舞台「ヘンリー六世」(作 / ウィリアム・シェイクスピア 演出 / 鵜山仁)のマーガレット役で、第44回紀伊国屋演劇賞個人賞、第17回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。現在、TBSラジオ「文学の扉」(毎週日曜21時~)でパーソナリティーを務める。15年9月19日~10月4日、舞台「語る室」(作 / 演出 前川知大)に出演。17年5月には映画「美しい星(監督 / 吉田大八)」が公開予定。


(C)北山宏一

砂川涼子(ソプラノ) Ryoko Sunakawa, soprano

沖縄県出身。武蔵野音楽大学声楽学科首席卒業、同大学大学院修了。宮内庁桃華楽堂御前演奏会に出演。第34回日伊声楽コンコルソ第1位、第69回日本音楽コンクール第1位及び特別賞受賞。第12回リッカルド・ザンドナイ国際声楽コンクールでザンドナイ賞を受賞。2001年から江副育英会の奨学生としてイタリア・ミラノへ留学。05年第16回五島記念文化賞・オペラ新人賞受賞を受賞し、再度留学。2000年新国立劇場小劇場オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」のエウリディーチェで本格的オペラデビュー。イタリアで研鑽を積みながら01年藤原歌劇団に「イル・カンピエッロ」のガスパリーナでデビューを果たす。同年新国立劇場シーズン・オープニング公演「トゥーランドット」のリューで絶賛を博し、その後も「ドン・ジョヴァンニ」「カルメン」「魔笛」「ドン・カルロ」に出演。特に「ホフマン物語」のアントニアでは03年公演でカヴァー歌手として控え、最終公演に代役出演して絶賛を博し、05年には本キャストで成功を収めた。13年には、「魔笛」のパミーナ、6月「夜叉ヶ池」の百合に出演し好評を博している。藤原歌劇団では「イル・カンピエッロ」「ランスへの旅」「ラ・ボエーム」「フィガロの結婚」等に出演し、特に2007年「ラ・ボエーム」では歌唱・容姿ともに“理想のミミ”と絶賛される。14年にも同役を好演。15年7月にはアルベルト・ゼッダ指揮「ランスへの旅」コリンナに出演し好評を博した。その他、東京交響楽団「トゥーランドット」のリュー、日生劇場「カプレーティ家とモンテッキ家」のジュリエッタ、愛知トリエンナーレ「ホフマン物語」のアントニア、びわ湖ホール・神奈川県民ホール「椿姫」のヴィオレッタ、びわ湖ホール「死の都」のマリー / マリエッタ、「オテロ」デズデモナなどオペラや各種コンサート、NHK-BS「映画音楽に乾杯!」、FM名曲リサイタルなどの音楽番組でも幅広く活躍。確かな技術と美しい舞台姿を持ち合わせ、日本を代表する若手ソプラノ歌手として活躍の場を広げている。藤原歌劇団団員。

宮本益光(バリトン) Masumitsu Miyamoto, baritone

東京芸術大学卒業、同大学院博士課程修了。「ドン・ジョヴァンニ」タイトルロールで衝撃的な二期会デビューを飾り、以降数々のオペラ公演に出演。近年では神奈川県民ホール・びわ湖ホール「ラ・ボエーム」マルチェッロ、新国立劇場「鹿鳴館」清原永之輔、「夜叉が池」学円、東京二期会「ドン・ジョヴァンニ」タイトルロール、「こうもり」ファルケ、「チャールダーシュの女王」フェリ・バーチ、日生劇場「オルフェオとエウリディーチェ」オルフェオ、日生劇場開場50周年記念「メデア」イヤソン、「リア」オルバニー侯爵等、常に大舞台で活躍。2015年12月には神奈川県民ホール40周年記念「金閣寺」溝口で出演を果たし、絶賛を浴びている。コンサートでも「第九」や宗教曲で読売日響、東京交響楽団、日本フィル等と共演。古典作品から現代作品、邦人作品までレパートリーは幅広く、読売日響「フランケンシュタイン!!」(作曲:HKグルーバー)も大きな話題を呼んだ。CD「おやすみ」、「あしたのうた」、「碧のイタリア歌曲」をリリースの他、DVD「宮本益光リサイタル~日本語訳詞で聴くオペラ名場面集」、著作に「宮本益光とオペラへ行こう」、詩集「もしも歌がなかったら」等がある。二期会会員。

藤木大地(カウンターテナー) Daichi Fujiki, countertenor

2012年、日本音楽コンクール声楽部門第1位。権威ある同コンクールにおいて、史上初めてカウンターテナーが優勝したことは、大きな話題となった。 13年5月にボローニャ歌劇場に開場250周年記念として上演されたグルック「クレーリアの勝利」マンニオ役に抜擢されてデビュー。続いて6月には同劇場でバッティステッリ「イタリア式離婚狂想曲」カルメロ役で出演、11月には日生劇場でのライマン「リア」エドガー役(下野竜也氏指揮・読売日本交響楽団)を好演。17年4月にはライマン「メデア」(10年ウィーン国立歌劇場初演)ヘロルド役で日本人カウンターテナーとして初めてウィーン国立歌劇場にデビューすることが発表されるなど、バロックからコンテンポラリーまで幅広いレパートリーで国際的な活動を展開する、現在最も注目を集めるアーティストのひとりである。02年東京芸術大学卒業。05年新国立劇場オペラ研修所修了。文化庁派遣芸術家在外研修員としてイタリア・ボローニャ、ロームミュージックファンデーション奨学生としてウィーンに留学。 03年に新国立劇場公演「フィガロの結婚」(U.シルマー氏指揮)クルツィオ役でテノール歌手としてデビュー後、テノール歌手としての国内外での演奏活動の一方で、コンサートプロデュース、ウィーン国立歌劇場におけるオペラ制作についての研修、ウィーン国立音楽大学大学院での文化経営学の研究など、多彩に活動する。11年に歌手活動をカウンターテナーに転向。同年ローマ国際宗教音楽コンクールのファイナリスト。12年、第31回国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクールにてオーストリア代表として2年連続で選出され、世界大会でファイナリストとなり、ハンス・ガボア賞を受賞した。近年では、14年にオーケストラ・アンサンブル金沢のニューイヤーコンサート(井上道義氏指揮 / 全国4公演)、日本フィルハーモニー交響楽団(藤岡幸夫氏指揮)との「第九」アルトソロ、京都芸術センター主催のモノオペラ「ひとでなしの恋」(世界初演)主演。15年は東京オペラシティ文化財団主催「B→C:バッハからコンテンポラリーへ」への出演、王子ホール「バロック・ライヴ劇場」での鈴木優人氏との共演、いずみホールオペラ2015「魔笛」では童子役を好演し話題となった。16年は1月に行われた第59回NHKニューイヤーオペラコンサートに3年連続出演、7月には兵庫県立芸術文化センターで行われるブリテン「夏の夜の夢」(佐渡裕氏指揮)に主演が決定するなど活躍の場を広げている。第19回松方ホール音楽賞受賞。第25回青山音楽賞青山賞受賞。声楽を鈴木寛一、マイケル・チャンスなどの各氏に師事。宮崎県出身。ウィーン在住。


(C)K.Miura

サラ・オレイン(アーティスト) Sarah Àlainn, artist

オーストラリア・シドニー出身。5歳よりヴァイオリンを始め、その才能をシモン・ゴールドベルグ(弱冠20歳でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任した著名ヴァイオリニスト)の高弟ペリー・ハートに見出され、師事。オーストラリア国内で優勝を重ね、超絶技巧のヴァイオリニストとして知られる。シドニー音楽院、シドニー大学を首席で卒業、東大への留学をきっかけに来日。3オクターブを超える音域と絶対音感を持ち、2012年1stアルバム「セレステ」でメジャーデビュー。14年2ndアルバム「SARAH」更に「SARAH Deluxe」をリリース。“f分の1ゆらぎ”という癒しの波長を持つことが研究により証明される。NHKを始めとするテレビ番組出演、ラジオパーソナリティ、CMソング、フィギュア・アイスショーでのコラボ、パラスポーツのサポーター、歴史ある京都・泉涌寺音舞台への出演。ウィーン少年合唱団との共演、グラミー賞16度受賞の名音楽プロデューサー、デイヴィッド・フォスターが手掛けたアルバム「We Love Disney」への参加、アンドレア・ボチェッリの最新アルバムでのデュエット共演など。15年11月、自らプロデュースした3rdアルバム「f」をリリース。

オンライン予約

Hakuju Hallチケットセンター 電話:03-5478-8700

10:00~18:00
火~土(祝日・休館日を除く)

2016年12月14日に「音楽劇紀行 第二夜」を迎えます。メインとなる時代は「古典派オペラ」です。第一夜では「バロック・オペラ」をメインとしたこの企画ですが、モンテヴェルディなどの作曲家の活躍はありましたが、やはりバロック期といえば歌手や演奏者が華々しい活躍をした時代でした。そして「古典派オペラ」となると、早くも天才モーツァルトが登場します。それまで神話や神、貴族などを題材としてきた音楽劇も、モーツァルトの手にかかると人間性が強調されるようになります。神々の絶対的な判断だけではなく、人の「赦し」がテーマになってくる、まさに啓蒙時代に起こった音楽劇の大転換の中心にモーツァルトはいました。

「第二夜」ではモーツァルトを中心に、彼の愛した人間くさい物語の中で、特に「浮気」をテーマに選曲しています。「第一夜」に引き続き登場する藤木大地さんには今回もバロックだけでなく、古典派オペラにも登場してもらいたいと思っています。そして「第二夜」のメインとなるモーツァルトを得意とする砂川涼子さんと宮本益光さんには、舞台でモーツァルトの幾多の役を演じてきた人にだからこそ出来る、一曲のアリア、デュエットだけでその場面をお客様に伝える演唱をご覧いただきたいと思います。そして、アーティストのサラ・オレインさんには、卓越した存在感と歌唱力で現代の音楽劇の形をミュージカルの曲で伝えていただきます。ナヴィゲーターの中嶋朋子さんには、企画段階から様々なアイデアを出していただいておりますが、今回もまた、中嶋朋子さんだからこその「言葉」の力で、音楽劇の歴史の旅をお送りしたいと思います。どうぞ、お楽しみにご覧ください。

田尾下哲(総合プロデューサー)

古典派時代の音楽は、バロック期の音楽とは全く異なった様相を呈しています。この時代に生まれた新しい形式など、バロック時代にはなかった表現手段が様々に発明されたとも言えますが、音楽の目的が神や王から民(とはいえまだ特権階級ですが)へと移っていったことも大きな理由でしょう。そして古典派のオペラについていえば、この時代の流行を取り入れて人気を得ようとしたり、人物の感情のリアリティーを表現するために音楽にもそのような要素を盛り込み、様々な音楽的刺激も重要な意味を持つようになりました。それらは複雑な手法ではなく、明朗に行われたために、作曲の研究対象からは少し軽視されている感じもします。しかし例えばモーツァルトの音楽の動かし方には、非常に優れた設計が見えるし、ロッシーニのそれからは、執拗な反復が興奮を生むという現代のエンターテインメントに通じる普遍的な感性も知ることもできます。時代がもう少し後になると、逆に音楽的理解がないと理解を助けてもらえない面も出てきますから、この時代のオペラはいわば理屈抜きに楽しめる軽やかさも魅力と言えるのではないでしょうか!?

そうした点も皆様にご紹介しながら豪華出演者たちの好演を大いに味わっていただきたいと思っています。

加藤昌則(音楽監督 / ピアノ)