ミカラ・ペトリ リコーダー・リサイタル

絢爛たるバロック、北欧の粋~珠玉のクリスマス・プログラム

2015年12月17日(木)

①14:00開演(13:30開場) ②19:00開演(18:30開場) ※各回約2時間(休憩あり)

各回全席指定6,000円(税込)


(C)Søren Solkær

バロックからコンテンポラリーまで幅広いレパートリーを持ち、リコーダーという楽器の価値を格段に高めたリコーダー界の女王、ミカラ・ペトリ。そして、アーリーミュージックに深い造詣を持ち、チェンバロとヒストリカル・ハープを巧みに操る希有なプレーヤーとして名高い西山まりえ。芯のある透き通ったリコーダーと、一音一音洗練されたチェンバロの音色が溶け合い、至福の空間が広がります。

[出演]

ミカラ・ペトリ(リコーダー)
西山まりえ(チェンバロ)

[プログラム]

J.S.バッハ:フルートと通奏低音のためのソナタ ト短調 BWV.1034 (原曲:ホ短調)
テレマン:「音楽の練習帳」より ソナタ ハ長調 TWV.41:C5
スカルラッティ:トッカータ イ短調 ※チェンバロ・ソロ
タルティーニ:ソナタ ト短調 「悪魔のトリル」
ジェイコブ:リコーダーとチェンバロのためのソナチネ
コレッリ:ラ・フォリア(ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 op.5-12)
J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 ※チェンバロ・ソロ
ヴィヴァルディ:ピッコロ協奏曲 ハ長調 P.79 RV.443

[プロフィール]

ミカラ・ペトリ(リコーダー) Michala Petri, recorder

3歳よりリコーダーを始め、5歳でデンマーク・ラジオに出演。1969年、チボリ公園コンサートホールにて、コンチェルト・デビューを飾る。以降、世界各地のコンサートホールや、音楽祭で演奏活動を行う。彼女の驚くべき演奏技術と聴衆の心を瞬く間につかむ卓越した音楽性が、バロックからコンテンポラリーまで幅広いレパートリーを演奏することを可能にしている。そして数多くの作曲家が彼女のために作品を書いている。これまでに、ハインツ・ホリガー、ジェームス・ゴールウェイ、ギドン・クレーメル、ピインカス・ズッカーマン、クラウディオ・アバド、クリストファー・ホグウッド、キース・ジャレットなどと共演している他、イングリッシュ・チェンバー・オーケストラ、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ、スウェーデン室内管弦楽団、ベルリン・バロック・ゾリスデン、クレメラータ・バルティカなど主要アンサンブルとも共演を重ねている。また、ギターとのコラボレーションに強い関心を持ち、これまでにイョラン・セルシェル、山下和仁、マヌエル・バルエコなどの一流ギタリストとのツアーを行っている。92年には、デンマークのギタリスト兼リュート奏者、ラース・ハンニバルとデュオを結成。ドイツ・レコード大賞を複数回受賞、また、クラシック音楽を大衆に広めた実績を称えられ、ヴィルヘルム・ハンセン音楽賞や、H.C.ロンビ賞などを次々と獲得。さらに、ストラヴィンスキー、バーンスタイン、ブリテン、ショスタコーヴィチ、クレーメルなど、これまでに著名音楽家が受賞したレオニー・ソニング賞を受賞している。デンマーク対がん協会の副会長や日本ユニセフ協会の役員を務めるなど、積極的に社会貢献活動も行っている。現在は、コペンハーゲンの北部の海沿いの街で、夫と二人の娘たちと暮らしている。


(C)Søren Solkær

西山まりえ(チェンバロ) Marie Nishiyama, harpsichord

チェンバロとヒストリカル・ハープ、2種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサートや録音に参加。ルネ・ヤーコプス、ボブ・ヤング、「チーフタンズ」のパディ・モローニ、カルロス・ヌニェス、山下洋輔、波多野睦美など、幅広いジャンルに渡る音楽家との共演は常に多くの反響を呼んでいる。また音楽番組、教養情報番組などTV出演も多い。アンサンブル「アントネッロ」メンバーとしても活躍している。録音は多数あり、「バッハ インヴェンション&シンフォニア」「バッハ イタリア協奏曲&フランス風序曲」「スカルラッティ 鍵盤の魔術師」以上はすべて「レコード芸術」誌特選盤。「バッハ イギリス組曲」「バッハ ゴルトベルク変奏曲」「バロック・ハープとの出会い」は、同誌準特選盤ほか、朝日新聞、毎日新聞などで採り上げられた。スペイン「エンキリアディス」レーベルより欧州で発売されたデビューCD「ファンタシーアの奏法~イベリア半島の鍵盤音楽」は「リトゥモ」誌(スペイン)の最優秀推薦盤に選ばれる。中世音楽のスペシャリストとしての評価も高く、ゴシック・ハープとオルガネットを奏するCD「トリスタンの哀歌」は「レコード芸術」誌準特選盤、「ステレオ」特選盤、「音楽現代」推薦盤、「朝日新聞視聴室」個性派盤に選ばれた他、「BURRN!」「フォーブス」「ミセス」「サライ」「暮らしの手帖」などの一般誌でも紹介され、古楽を多くの聴衆に広めている。第11回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門第1位および栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。第23回同コンクール審査員。「ハープ女学園」、「クラヴサン・クラブ」主宰、古楽ワークショップ「信州アーリー・ミュージック村」芸術監督。

企画制作:ムジカキアラ 後援:デンマーク大使館

オンライン予約

Hakuju Hallチケットセンター 電話:03-5478-8700

DM会員先行発売 4月25日(土)~
一般発売 5月9日(土)~

メッセージ

すべての楽器は常に、その存在自体を飛躍させ、枠を超え、それまでになかった新しい可能性を拓いてくれる演奏家を必要としている。
リコーダーという楽器にとってのミカラ・ペトリもまた、そうした演奏家である。幼少時からリコーダー一筋に歩んできた彼女は、その華やかでノーブルな雰囲気とともに、リコーダーの魅力を世間に知らしめる使徒として、長年のキャリアを積み上げてきた。その主要レパートリーはバロック音楽であるが、それだけには彼女は決してとどまらない。かつて話題となったキース・ジャレットとの共演や、中国の作曲家の作品演奏に象徴されるように、境界線を越えて自在に振る舞うことのできる現代の楽器として彼女はリコーダーを扱っている。

2006年に立ち上げた自主レーベル「OUR recordings」では、デンマークの現代作曲家イエルゲンセンの作品集が面白かった。従来の素朴で自然な音だけでなく、異様で大胆な音まで駆使しつつ、リコーダーという楽器から、全く新しい幻想を作り出していたのだ。新しいチャレンジをたゆまず続ける演奏家は、必ず成長していくものだが、ペトリもその一人であることが確信できるディスクだった。
そうした実験を経た人は、従来のスタンダードな作品に戻ったときでも、きっと何かが違ってくる。彼女の近年の録音でのバロック作品の演奏を聴いてみても、たとえば、目もくらむようなスピード感、鮮やかなパッセージ、可憐でのびやかな音の表情、やさしい素朴さなど、すべてに磨きがかかっている。
それらがめざすものは詩情だと私は思う。リコーダーという楽器の響きが醸し出す「詩」というものが、聴き手を幸福にしてくれるのだ。
彼女自身、謙虚にこう語っている。
「音楽の素晴らしさは、自分が偉大な奏者になることにあるのではなく、たとえ初心者であっても、自分の中に新しい何かを発見できることだと思います」

今回の来日公演でも新しい試みがある。チェンバロとヒストリカルハープという2種の古楽器を扱う、いま大活躍中の西山まりえとの共演が実現するのだ。二人の新鮮な出会いによるステージによるバロックの名曲たち、そして1曲だけ20世紀作品(英国の作曲家ゴードン・ジェイコブ)という構成も楽しみである。

林田直樹(音楽ジャーナリスト・評論家)