Hakuju サロン・コンサート vol.7
平井千絵

Mozart Speaks ~ 語りかけるフォルテピアノ ♪

2020年9月11日(金)

19:00開演(18:30開場) 【公演中止】

全席指定4,000円(税込)

【延期公演】

2021年9月10日(金)

19:00開演(18:30開場)

サロン・コンサート7回目はHakuju Hall主催公演初となるフォルテピアノ独奏コンサート。この楽器を専門とする奏者を代表する一人平井千絵がご案内します。古楽の本場オランダのデン・ハーグ音楽院でフォルテピアノ界の巨匠スタンリー・ホッホランドに師事したのち、欧州での長年の活動を経て2012年に帰国。数多くのコンサートやCD録音などで目覚ましい活躍を続けています。軽やかでさえずるような音の動きから、心の奥底に沈潜するような深い響きまで、機知とファンタジー豊かに表現する名手です。
今回はモーツァルト晩年の18世紀末に普及し、モーツァルト自身も好んだ型式である5オクターヴ61鍵のフォルテピアノをホールに持ち込み、フォルテピアノという楽器の説明を交えながら、モーツァルトの作品を中心に、その時代のサロンで楽しまれたピアノ曲の数々を演奏します。
フォルテピアノの音には、繊細さや色彩の豊かさがあり、現代のピアノとは違った格別の魅力を持ちます。モーツァルトら古典派時代の作曲家もそうした音を思い描きながら作品を残していたことを思えば、実演で体験することで、モーツァルトの肉声に触れる印象をもつ方も多いでしょう。
Hakuju Hallは300席の小空間だからこそ、フォルテピアノにぴったりの響きをもっています。平井の演奏の魅力はもちろん、楽器の魅力も十二分に堪能していただけることでしょう。古雅な響きに満たされたサロンで是非お寛ぎください。

[出演]

平井千絵(フォルテピアノ)

[プログラム]

モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331 「トルコ行進曲付き」
Mozart : Piano Sonata No.11 in A major K.331

モーツァルト: 「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲 K.265
(きらきら星変奏曲)

Mozart : 12 Variations on ‘Ah, vous dirai-je, maman’ K.265

ドゥシェク:マリー・アントワネットの悲劇 op.23
Dussek : The Suffering of the Queen of France

ゲリネク:モーツァルトの歌劇「魔笛」より “恋人か女房か” の主題による6つの変奏曲

Gelinek :  6 Variations on “Ein Mädchen oder Weibchen”
from Mozart's ‘Die Zauberflöte’

モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310
Mozart : Piano Sonata No.8 in a minor K.310

モーツァルト:グルックの歌劇「メッカの巡礼」による10の変奏曲 ト長調 K.455
Mozart : 10 Variations in G major on Gluck's ‘Unser dummer Pöbel meint’ K.455

モーツァルト:グラスハーモニカのためのアダージョ ハ長調 K.356
Mozart : Adagio in C major K.356

モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
Mozart : Adagio in b minor K.540

[プロフィール]

平井千絵(フォルテピアノ) Chie Hirai, fortepiano

桐朋学園大学ピアノ科卒業後、オランダ政府奨学生、文化庁在外研修員としてオランダ王立音楽院古楽科スタンリー・ホッホランド門下で学ぶ。2002年、修士課程を栄誉賞付き首席で卒業。その年の最も優れた卒業生に贈られるニコライ賞を受賞。在学中に、師の代役として務めたリサイタルがきっかけで、欧州での演奏活動を開始。オルフェオ・バロック・オーケストラ、セルクル・ドゥ・ラルモニーのソリストとして欧州ツアーに参加。「透明で軽やかな真珠のような演奏は、彼女の音楽的直感と衒いのない名人芸を伝えた。」(Wiener Zeitung)など各国のメディアで絶賛された。ユトレヒト古楽祭、バルセロナ音楽祭、カリンシアの夏音楽祭(オーストリア)、ブルメンタール音楽祭(イスラエル)などオランダを拠点に、10カ国以上の主要な音楽祭に招かれ、各国の音楽祭に出演。ラジオ・フランス、オーストリア国営放送、オランダAvroなどメディア出演多数。CD録音は、チェロの鈴木秀美氏との『メンデルスゾーン作品集(06年文化庁芸術祭優秀賞受賞)』『ショパン作品集』(以上ソニー=BMG)、ショパンとグリンカの作品集『1840』(アクースティカ)など国内外で15枚をリリース。現在、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲録音『Mozart Speaks』(フォンテック)が進行中であり、第一集、第三集、第四集はレコード芸術誌特選盤に、第二集は準特選盤に選ばれた。19年秋、時代を超えたレパートリーでフォルテピアノの新しい可能性を提示したアルバム『Dream』に、6つ目のレコード芸術誌特選が与えられた。アムステルダム音楽院や母校であるハーグ王立音楽院で審査員・伴奏員を12年帰国まで勤めたほか、帰国後もティンスカ・スコレ(チェコ)やフォンティス大学(オランダ)など、マスタークラスやコンサートに招聘されている。18年にはGeelvinckフォルテピアノフェスティバル(オランダ)にソリストとして招かれたほか、Geelvinck国際シンポジウムにて、シューベルトと民俗性についてのレクチャーコンサートを行う。第5回かながわ学生音楽コンクール ピアノ部門総合第1位。第7回園田高弘賞ピアノコンクール準園田高弘賞ならびに奨励賞。神奈川フィルハーモニー管弦楽団、九州交響楽団と共演。01年、第38回ブルージュ国際古楽コンクールフォルテピアノ部門第3位。03年、IYAP国際コンクール(ベルギー)第1位。04年、ファン・ヴァッセナール国際コンクール(オランダ)第3位。東海大学音楽学課程講師。日本セヴラック協会会員。

[使用楽器]

2004年 ヘラート・タウンマン製作のフォルテピアノ

アントン・ワルター製作(1790年頃ウィーン)のフォルテピアノのコピーモデル
61鍵 5オクターヴ FFからf3

Fortepiano after Anton Walter ca.1790
Gerard Tuinman Utrecht 2004

後援:一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)

メッセージ

今回お聴きいただくフォルテピアノは、現代のピアノよりも27個も少ない61個の鍵盤、しかもその色も白と黒が逆転していて、モーツァルトが生きた18世期末のウィーンで普通に見られたものです。ボリュームも質感も人間の声に近いため目にも耳にも優しいと私は感じますがどうでしょうか? それより前のバロック時代に人気だったのはチェンバロでしたが、それは宮廷人の抑制されたマナーと心の機微を表現するのに適していました。しかし次の新しい時代の聴衆の興味は、個人的な感情と向き合い、それを表出することに向かいました。それはフォルテピアノが現れたことによって可能になりました。耳元で秘密を囁くような超弱音から、チェンバロに負けない断固たる英雄的セリフ回しまで、新時代の楽器、見参(⁈)の驚きと愉しい語り口、奇才モーツァルトも夢中になったフォルテピアノの新しい魅力を、お話しを交えながら、みなさまに味わっていただきたいです。Hakuju Hallというサロンのような親密な空間で、みなさまがまるでモーツァルト自身と語り合うような感覚が訪れますように!

平井千絵