渡辺玲子 プロデュース
レクチャーコンサート vol.5 知る、聴く、喜び ~時代を彩る名曲とともに~

ラヴェルとガーシュウィン、そしてプーランク ~フランスにおける2つの流行、「ジャズ」と「スペイン風」~

2019年10月16日(水)

19:00開演(18:30開場)

全席指定4,000円(税込)

知的好奇心を刺激する、体が“知る、聴く、喜ぶ”新体験!世界的ヴァイオリニスト・渡辺玲子によるレクチャーコンサート。楽譜に記された音符、音型、調性―その背景には、作曲家が意図した隠されたメッセージがあるはず?!一見難しいと感じるようなクラシックの名曲の数々を、ピアニスト江口玲とともに紐解いていきます。
今回はドビュッシー、ラヴェル、プーランクらフランス近代の作曲家が、スペイン、アメリカといった外国の特色ある文化に影響を受けて新しい世界を切り開いた音楽と、スペインのファリャ、アメリカのガーシュウィンらフランス近代の音楽に心酔した作曲家たちが、その模倣にとどまらず、自身の独自な民族性を注ぎ込んだ音楽とを組み合わせたプログラムです。
20世紀の前半にパリを中心にして活発に展開した芸術家たちの異文化交流や、そこから生み出された音楽遺産の豊かさを知り、楽しむことができるでしょう。
このシリーズは、世界的なヴィルトゥオーゾとしての演奏活動だけでなく、秋田市にある国際教養大学特任教授として、音楽を専攻しない学生も対象にして英語による集中講義を行うという独自な活動も注目されている彼女だからできるもの。共演の江口玲によるガーシュウィンや冴えわたる解説にも注目が集まります。

[出演]

渡辺玲子(ヴァイオリン)
江口玲(ピアノ)

[プログラム]

ドビュッシー(ハイフェッツ編):「子供の領分」 より 第6曲 “ゴリウォーグのケークウォーク”
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ
ガーシュウィン:「ソング・ブック」 より “私の愛する人” (ピアノ・ソロ)
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
ファリャ(コハンスキー編):「7つのスペイン民謡」 より

第1曲 “ムーア人の衣装”、第5曲 “子守歌”、第7曲 “ポーロ”

プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
ラヴェル:ツィガーヌ

[プロフィール]

渡辺玲子(ヴァイオリン) Reiko Watanabe, violin

超絶的なテクニック、玲瓏で知的な音楽性、切れ味鋭い官能性と幅広いレパートリーで、世界のヴァイオリン界をリードする逸材。第50回日本音楽コンクールで最年少優勝。1984年ヴァオッティ、86年パガニーニ両国際コンクールで最高位を受賞。ジュリアード音楽院、学士&修士課程を修了。これまでにワシントン・ナショナル管、ロサンゼルス・フィル、フィルハーモニア管、BBC響、ウィーン・トーンキュンストラー管、ロシア・ナショナル管などと共演。中でも、シノーポリ指揮のドレスデン・シュターツカペレ、サンクトペテルブルク響との共演はCDもリリースされ、大好評を博した。リサイタルでは、99年のニューヨークのリンカーン・センターにおけるニューヨーク・リサイタル・デビュー、その後ラヴィニア音楽祭、イタリアのストレーサ音楽祭等にも出演。その他バレエとのコラボレーションや、現代の作品を初演するなど、活動は幅広い。2004年からは、秋田の国際教養大学特任教授として英語による集中講義を行うほか、11年から始めた「子どもたちのためのレクチャー・コンサート」、18年4月からは1年間ラジオで「渡辺玲子の弓語り」のパーソナリティーを務めるなど、音楽の魅力を伝える活動を広く行っている。CDは上記の協奏曲の他に「バッハ無伴奏」「SOLO」「カルメン・ファンタジー」「AIR&DANCE」他があるが、19年秋には新しいCDをリリース予定。05年エクソン・モービル音楽賞奨励賞、18年9月には、ロシアのサンクトペテルブルクで開かれた「ユーラシア・ウィメンズ・フォーラム」にて、世界で活躍する女性に与えられる「リコグニション・アウォ―ド2018」を受賞。


(C)Yuji Hori

江口玲(ピアノ) Akira Eguchi, piano

東京藝大附属音楽高校を経て東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業、その後ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。1992年に大成功を収めたアリスタリーホールでのニューヨークリサイタルデビュー以来、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでの主要演奏会場にて演奏を続けてきた。ニューヨークタイムズ紙からは「非凡なる芸術性、円熟、知性」「流暢かつ清廉なるピアニスト」と賞賛されている。作曲・編曲者としても実力を備えた大胆な解釈と表現技法でリサイタルや協奏曲など国内外を問わず活躍を続けるほか、ギル・シャハム、諏訪内晶子、竹澤恭子、アン・アキコ・マイヤース等数多くのヴァイオリニストたちから絶大な信頼を得ている。レコーディングはドイツグラモフォン、フィリップス等で計30枚以上、NYS CLASSICSより10枚のソロアルバムをリリースし、レコード芸術誌での特選盤への連続選出など、高い評価を得ている。2011年5月までニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教鞭を執る。現在もニューヨークと日本を行き来して演奏活動を行っているほか、洗足学園音楽大学大学院の客員教授、東京藝術大学ピアノ科の教授を務める。


(C)堀田力丸

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Hakuju Hallチケットセンター 電話:03-5478-8700

10:00~18:00
火~土(祝日・休館日を除く)

【DM会員先行発売】
5月18日(土)~
※日・月・祝日 休み
※DM会員限定まとめ割もあります。
 詳細はお問合せください。

【一般発売】
5月25日(土)~

メッセージ

ラヴェルとガーシュウィン、そしてプーランク
~フランスにおける2つの流行、「ジャズ」と「スペイン風」~


このシリーズもお陰様で好評を頂き、今年で第5回を迎えます。3回までのドイツ音楽中心のプログラムから逸れて、4回目の昨年は、東欧の巨人たち(プロコフィエフ、ヤナーチェク、バルトーク)の作品と、音楽の中の民族意識の高まりをご紹介しました。今年は舞台を西に移し、20世紀初頭のフランスにおける2つのエスニックな流行=「ジャズ」と「スペイン風」にフォーカスしたプログラムを聴いていただきます。

ラヴェル(1875-1937)とガーシュウィン(1898-1937)の交流はよく知られています。ニューヨークを皮切りに、1928年1月からほぼ4か月に渡ってアメリカ各地で講演や演奏会を行ったラヴェル、勿論ガーシュウィンとも会っています。このアメリカ・ツアーの直前に書きあげた「ヴァイオリン・ソナタ」の第2楽章は「ブルース」。ツアーから帰って書き始めた2つのピアノ協奏曲と共に、ラヴェルのジャズに対する並々ならぬ関心と愛情を感じる作品であり、ジャズの歴史も紐解きながら、ガーシュウィンの作品との類似点なども語っていこうと思います。シリーズ第1回目からのパートナー、ピアニストの江口玲さんは、アメリカ音楽とジャズにも造詣が深く、ガーシュウィンのピアノ曲の編曲もしていますから、彼のガーシュウィン解説&演奏にも期待大!

もう一つのトピック、フランスの作曲家によるスペイン風の情緒ということでは、6人組の一人、プーランク(1899-1963)を取り上げます。彼の唯一のヴァイオリン・ソナタは、スペイン内戦で銃殺された詩人、ガルシア・ロルカ(1898-1936)に捧げられています。ロルカの親友で同郷のスペインの国民的作曲家、ファリャ(1876-1946)の「スペイン民謡」もあわせて取り上げながら、時代的な背景を含めた芸術家たちのストーリーに迫っていこうと考えています。
そして最後は、スペインのバスク地方の血を母から受けたラヴェル。バスクに多く住み着いたロマに関心を持っていたラヴェルは、名曲「ツィガーヌ」を書きあげます。これはラヴェルのお気に入りの作品であり、ヴァイオリンの華やかさと情感を存分に味わえる名曲です。

以上のように、第5回は「ジャズ」と「スペイン風」という2つの視点から、20世紀前半のフランス音楽とその周りの世界を俯瞰していく試みです。Hakuju Hallの素晴らしい音響とサロン的な雰囲気の中、レクチャーだけでなく演奏も本格的に楽しんでいただけるコンサートとして、音楽の持つエネルギーやメッセージを多面的に味わっていただける機会にできればと思います。

渡辺玲子