渡辺玲子 プロデュース
レクチャーコンサート vol.4 知る、聴く、喜び ~時代を彩る名曲とともに~

プロコフィエフ、ヤナーチェク、バルトーク…東欧の巨人たちの秘密に迫る

2018年10月17日(水)

19:00開演(18:30開場)

全席指定4,000円(税込)

知的好奇心を刺激する、体が“知る、聴く、喜ぶ”新体験!世界的ヴァイオリニスト・渡辺玲子によるレクチャーコンサート。楽譜に記された音符、音型、調性―その背景には、作曲家が意図した隠されたメッセージがあるはず?!一見難しいと感じるようなクラシックの名曲の数々を、ピアニスト江口玲とともに紐解いていきます。
今回は東欧の偉大な近代音楽家である、プロコフィエフ、ヤナーチェク、バルトークの作品を取り上げます。プロコフィエフが生涯に作曲したヴァイオリン・ソナタ2曲のうちの1曲である「ヴァイオリン・ソナタ 第1番」はロシア出身の巨匠、オイストラフに献呈された傑作。作曲者自身が「墓場を抜ける風」と称した両端楽章の特異な旋律が印象的な、陰鬱な中にも叙情をたたえた作品です。現存するヤナーチェク唯一の「ヴァイオリン・ソナタ」は、出身地モラヴィアの民族音楽的要素が色濃く現われながらも前衛的な作品。そしてバルトーク「ラプソディ 第2番」はバルトークの作品の中でも特に民族色あふれる、ジプシーヴァイオリンを思わせるような楽曲です。激動の時代、苦悩の中に民族的アイデンティティを追求し、独自の音楽を生み出した東欧の巨匠たち。その秘密に迫っていきます。

[出演]

渡辺玲子(ヴァイオリン)
江口玲(ピアノ)

[プログラム]

プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 op.80
ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ
バルトーク:ラプソディ 第2番

[プロフィール]

渡辺玲子(ヴァイオリン) Reiko Watanabe, violin

渡辺玲子は、超絶的なテクニック、玲瓏で知的な音楽性、切れ味鋭い官能性とその広いレパートリーで日本のみならず世界のヴァイオリン界をリードする逸材である。第50回日本音楽コンクールにおいて最年少優勝(15歳)、同時に第1回増沢賞(全部門を合わせて最も優れたものに与えられる賞)を受賞、翌年の「若い芽のコンサート」でNHK交響楽団とバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番を共演、衝撃的なデビューを飾った。その後も1984年ヴィオッティ、86年にパガニーニ両国際コンクールで最高位を受賞。85年からは、ジュリアード音楽院に全額奨学生として留学し、92年に学士と修士を取得。ニューヨークを本拠地として、世界各地でオーケストラとの共演、リサイタル、音楽祭への参加と国際舞台で目覚ましく活躍している。フランスのフィガロ紙は「彼女は全曲を通じ、文句のつけようのないほど見事であり、その光あふれる音色と、一種言葉にできないような魅力が全曲を通じ、疑いを差し挟む余地のない優美さに輝いていた」、ワシントン・ポスト紙は、「身についた優美」と見出しを掲げた記事で絶賛し、シラキュース(アメリカ)のヘラルド・ジャーナル紙は、「マリア・カラスがもしもヴァイオリニストであったなら、彼女のように弾くだろう」と書いた。これまでに国内の主要オーケストラはもとより、ワシントン・ナショナル響、ロザンゼルス・フィル、セントルイス響、ヴァンクーヴァー響、フィルハーモニア管、BBC響、ウィーン・トーンキュンストラー管、ロシア・ナショナル管、サンクトペテルブルク響、バンベルク響等と共演、また、日本フィルハーモニー管弦楽団のヨーロッパ・ツアー、東京交響楽団のアメリカ・ツアーにもソリストとして同行している。リサイタリストとしても意欲的に活動、ニューヨーク・タイムズ紙はその演奏を「圧倒的なテクニック、華麗な音色、劇的な音楽表現」と評し、見出しに「ヴィルトゥオーゾの圧倒的迫力に脱帽」と掲げて絶賛した。このほか、ワシントンのケネディー・センターやラヴィニア音楽祭、イタリアのストレーサ音楽祭等に出演、2013年にはミラノとラヴェンナでG.アレヴィ作曲のヴァイオリン協奏曲を演奏し現地の聴衆に圧倒的な熱狂をもって迎えられた。アジアでも活躍の幅を広げており、香港フィルと中国ツアーのソリストを務めたほか、武漢交響楽団とも共演、台湾にも度々招かれている。また、欧米で高い評価を得ているダンス・カンパニー「Noism」とケネディ・センター等で度々共演するなどダンス、バレエとのコラボレーションも積極的に行う。演奏の素晴らしさに加えて、その時代を見通したユニークなプログラミングは、11年から始まった「青少年のためのレクチャーコンサート」の全国展開、15年に東京・Hakuju Hallで立ち上げた、大人のためのレクチャーコンサートも注目を集めている。レコーディング・アーティストとしてのデビューは、ドレスデンにおいてジュゼッペ・シノーポリ指揮ドレスデン・シュターツカペレと共演したベルクのヴァイオリン協奏曲で、演奏会と同時にテルデック・レーベルによってCD録音が行われ、97年にリリースされると同時に高く評価された。その他、これまでに“マイ・フェイヴァリッツ”、“バッハ無伴奏ソナタ&パルティータ”、“チャイコフスキー&ショスタコービッチ:ヴァイオリン協奏曲”、“カルメン・ファンタジー”、無伴奏作品集“SOLO”等があり、最新CDは“AIR & DANCE on Violin”。04年からは演奏活動の傍ら教育にも携わり、秋田の国際教養大学特任教授として、音楽を専攻していない若者にも音楽の深さを知ってもらおうと集中講義(「音楽と演奏」)を行っている。東京生まれ、松井宏中、鈴木共子、田中千香士、堀正文、大谷康子、海野義雄の各氏に師事、その後アメリカに渡り、J.フックス、J.ラタイナー、F.ガリミア、S.ローズ、I.スターンの各氏に師事、他にN.ミルシテイン、J.ギンゴールドのマスタークラスも受講している。05年、第35回エクソン・モービル音楽賞奨励賞受賞。使用楽器は、日本音楽財団より貸与されている1736年製グァルネリ・デル・ジェス「ムンツ」。


(C)Yuji Hori

江口玲(ピアノ) Akira Eguchi, piano

「非凡なる芸術性、円熟、知性」(ニューヨーク・タイムズ紙)と評される江口玲はソリスト、室内楽奏者、チェンバロ奏者として世界中の聴衆と批評家たちを魅了してきた。ニューヨーク・タイムズ紙からは「流暢かつ清廉なるピアニスト」と賞賛され、これまでにカーネギーホール、92丁目のYMHA、ワシントンDCのケネディー・センター、ウィーンのムジークフェライン、ロンドンのバービカンセンター、パリのシャンゼリゼ劇場等でも演奏している。その抜きんでた演奏は、ホワイトハウスにて故アイザック・スターン氏によりクリントン大統領に紹介され、また東京の浜離宮朝日ホールでの演奏会には天皇皇后両陛下もご臨席された。アメリカ、アジア、ヨーロッパ諸国等、今まで演奏で訪れた国は25カ国に及ぶ。室内楽の分野でも、ギル・シャハム、竹澤恭子、諏訪内晶子、アン・アキコ・マイヤース等、数多くのヴァイオリニスト達から絶大なる信頼を得て、共演を重ねている。レコーディングにおける活躍も目覚ましく、ドイツグラモフォン、フィリップス、DENON、IDVC、マーキークラシックス、ビクター、ヴァンガード、BMG、佼成出版、NYS CLASSICS等から30枚以上のCDが出ている。2002年春にNYS CLASSICSより発売されたソロアルバム、「Dear America,」はレコード芸術から特選盤に選ばれ、「極上のエンターテイメント」「ガーシュインの霊が乗り移ったかのよう」と評された。また、2枚目のアルバム、「巨匠たちの伝説」はカーネギーホールオープン時にステージ上にあった1887年製のピアノを使用し、カーネギーホールで録音された。09年7月には過去の浜離宮朝日ホールでの4回にわたるリサイタルから抜粋された「ライヴ!ソナタ集」と「ライヴ!小品集」が発売され、続く「Dear Chopin」、「リスト/巡礼の年第二年“イタリア”」、最新盤である「ベートーヴェン三大ソナタ」等も同じく特選盤に連続選出され続けている。東京に生まれ、東京芸大附属音楽高校を経て東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業、その後同校にて助手を務めた後、ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。ピアノをハーバート ステッシン、外山準、金沢明子、伴奏法を故サミュエル サンダース、作曲を佐藤眞、北村昭、物部一郎の各氏に師事。11年5月までニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教鞭を執る。06年より洗足学園音楽大学大学院の客員教授を務める他、11年4月より東京芸術大学ピアノ科の准教授に就任。現在もニューヨークと日本を行き来して演奏活動を行っている。


(C)堀田力丸

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Hakuju Hallチケットセンター 電話:03-5478-8700

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火~土(祝日・休館日を除く)

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5月12日(土)~5月18日(金)
※日・月・祝日 休み
【一般発売】
5月19日(土)~

メッセージ

世界大戦の世紀 ― 20世紀前半の音楽

Hakuju Hallのレクチャーシリーズもvol.4になりました。これまでベートーヴェンやブラームスなどの、ドイツ系の大作曲家たちのヴァイオリン・ソナタを中心にプログラムを組んできましたが、今回は20世紀の作品を3曲聴いていただきます。亡命していたパリからスターリンの支配するソビエトに帰国したプロコフィエフ(1891-1953)が書いた大作ヴァイオリン・ソナタ第1番(1946年)、祖国チェコの音楽的発展に心を砕いたヤナ―チェク(1854-1928)がハプスブルク帝国からの祖国解放の思いを音楽に反映させたヴァイオリン・ソナタ(1914年、改作1922年)、そしてブラームスやリヒャルト・シュトラウスなどのドイツの作曲家の系譜を受け継ぎながらも、祖国ハンガリーの農民の音楽を採取、自身の芸術の中に見事に融合させ独自の音楽世界を創ったバルトーク(1881-1945)によるラプソディ第2番(1928年)を取り上げます。

これらの3作品の書かれた20世紀の前半は、2つの世界大戦を経験した苦難と激動の時代であり、そんな中で作曲家たちが何を考え、音楽を通してどんな想いを伝えようとしたのかを探っていこうと思います。

今回も、パートナーにはニューヨークのジュリアード時代からの仲間であり、作曲家としての側面も持つ国際的に活躍するピアニストの江口玲さんを迎え、演奏家から見た作品の魅力や、作曲家が音に込めたメッセージをひとつひとつ具体的に紐解いていきます。と同時に、Hakuju Hallのサロン的な雰囲気と美しい響きの中、演奏も本格的に楽しんでいただけるコンサートとして、音楽の持つエネルギーを多面的に味わっていただける機会にできればと思います。
皆様のご来場をお待ちしています。

渡辺玲子