原支配人による公演レビュー

2024年01月10日 (水)

【原支配人による公演レビュー】
2023年12月8日(金) TRAGIC TRILOGY Ⅲ 「蝶々夫人」

支配人原が脚本演出なんでも出来る天才、田尾下哲さんに数年前に無茶なお願いをしました。「最大の芸術であるオペラをハクジュホールで再現したい!」それに対し田尾下さんが答えてくださいました。「そもそもオペラは原作、脚本、作曲、舞台演出、舞台装置、オーケストラ、指揮者、歌唱等が最大限にクロスオーバーしています。では、それらを最小限にしたらハクジュホールでの上演も可能なのではないか。TRAGIC TRILOGY (3大悲劇)である「椿姫」、「トスカ」、「蝶々夫人」を3年かけて取り上げ、同じピアニスト、同じ歌手で上演する企画はいかがでしょうか」と。そしてマエストロ園田隆一郎さんが音楽監督でありながらピアノを弾いてくださることになり、この企画が実現することになったのです。とは言えオペラ公演なので、ホールの主催公演の中で最も準備や仕込みが大変なシリーズで、ドキュメンタリーを制作して見てもらいたいと思うほどでした。今回は特に舞台転換も多く、ホール制作担当が舞台監督のような役割を担っておりました。
前回までは登場人物3名で成り立ちましたが、今回の「蝶々夫人」は演出上、難しかったため、蝶々夫人役の青木エマさん、ピンカートン役の城宏憲さん、シャープレスの大西宇宙さんに加えて、スズキ役として山下裕賀さん、蝶々夫人の子どもの役にピンカートン役の城宏憲さんの息子さん、城漣蔵君にご出演いただきました。
皆さんたいへん素晴らしかったのですが、蝶々夫人役の青木エマさんの鬼気迫る、凄まじい演技力に魅了されました。ある種、奇想天外な公演ではありますが、再演される事を心から望みます。
コロナ禍で始まり3年、たいへんな盛り上がりを見せた最高のシリーズでした。

2023年12月8日(金) TRAGIC TRILOGY Ⅲ 「蝶々夫人」15時開演

[出演]
青木エマ(蝶々夫人) 城宏憲(ピンカートン) 大西宇宙(シャープレス)
特別出演:山下裕賀(スズキ) 城漣蔵(子ども)
園田隆一郎(音楽監督 / ピアノ)
田尾下哲(演出 / 脚本)

横山希(稽古ピアニスト)

[プログラム]
G.プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」全3幕


写真©Studio LASP

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