原支配人による公演レビュー

2021年12月19日 (日)
【原支配人による公演レビュー】
2021年11月30日(火) ~N響メンバーによる室内楽シリーズ~ N響チェンバー・ソロイスツ 第2回 日本初演! マーラー交響曲 第10番 室内オーケストラ版

NHK交響楽団 (NHKホール)、東急文化村、ハクジュホール。奥渋谷に存在する3館で奥渋谷連携が出来ないかという話をし始めて3年近くになります。無理してやっても続かないので、イベント、単に打ち上げ花火に終わらない形で出来たらと思い、この数年でも様々な試みを始めております。その企画の1つが、実は昨年6月に東急文化村での「ドゥ マゴ パリ祭」というイベントに合わせてハクジュホールでは「N響チェンバー・ソロイスツ」の公演を開催、フランス音楽を演奏するという企画でした。しかし残念ながらコロナで流れてしまい、「パリ祭」にスケジュールを合わせることが出来ず、今年4月に第1回公演を行いました。
文化村との連携のため第1回はフランス音楽になったのですが、実はソロイスツメンバーからはマーラー「交響曲 第10番」を第1回に演奏したいという提案がございました。そう考えると昨年秋からの延期公演というより、本公演に関しては昨年6月からN響メンバーが1番最初にやりたかったものであったと言えます。
今回はスケジュールの変更により、ゲストコンサートマスター白井圭さん、チェロトップ辻本玲さんにご参加いただけたようです。
マーラーの「交響曲 第10番」は原曲が単楽章の曲ですが、クックが草稿に大きく補筆した5楽章版が1番有名ですが、カステレッティ編曲版というのは2012年に室内楽オーケストラ版として彼自身の指揮で世界初演をされていましたので、日本初演を是非やりましょうという事でこの曲が選ばれました。
繊細な音響であるハクジュホールで、指揮者がいないマーラーを日本初演。手練のN響メンバーも大変だったと思いますが、出だしのヴィオラの凛とした旋律から始まり、コンサートマスターの白井圭さんのリーダーシップにより、会場の中が緊迫した物凄い雰囲気になっていました。足りない打楽器のフォローを管楽器メンバーが演奏したのはお茶目でしたが、ザ・集中力!という演奏であっという間に1時間半が経過。演奏後にお客様も「ブラボー」は言えませんでしたが、スタンディングオベーションでも起きそうな熱狂的雰囲気と壇上のメンバーの充実した笑顔は最高でした。
今回はコロナ禍にも関わらずお蔭さまでチケットは完売いたしまして、名演をキャパシティ全員のお客様に聴いて頂く事が出来、たいへん嬉しく思いました。
次回はバロック古典の演目になります。2022年4月3日(日)15時開演です。内容がガラッと変わりますので、是非楽しみにいらして下さい。
今後もNHK交響楽団、東急文化村、ハクジュホールの奥渋谷連携を更に模索して参りますので、その辺もウォッチして頂けましたら幸甚です。

2021年11月30日(火) ~N響メンバーによる室内楽シリーズ~ N響チェンバー・ソロイスツ 第2回 日本初演! マーラー交響曲 第10番 室内オーケストラ版 19時開演

[出演]
N響チェンバー・ソロイスツ
白井圭、大宮臨太郎、三又治彦、山岸努、横溝耕一(以上、ヴァイオリン)
中村翔太郎、中村洋乃理(以上、ヴィオラ) 
辻󠄀本玲、宮坂拡志(以上、チェロ)
本間達朗(コントラバス)
梶川真歩(フルート) 
𠮷村結実(オーボエ)
松本健司(クラリネット) 
宇賀神広宣(ファゴット)
長谷川智之(トランペット)
福川伸陽(ホルン) 
竹島悟史(打楽器) 
早川りさこ(ハープ)
桑生美千佳(ピアノ/ハルモニウム)

[プログラム]
マーラー(カステレッティ編) : 交響曲 第10番 嬰ヘ長調(室内オーケストラ版/日本初演)