Hakuju Hall
 
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新世代の奇才ピアニスト、登場!〜フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ〜
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第3回 (2009年9月1日更新)
訳:久野理恵子/*印は訳者による注釈

作曲家として

フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ
Official HPより
―― 作曲家と演奏家、どちらがあなたにとって自然なのでしょう。
作曲することと演奏することは意識としては同じものなのでしょうか。
ピアノを演奏し始めると、私は常に即興をし、同時にスコアに書かれていることを演奏します。ですから、どちらも私にとっては自然なことであり、ゆえに私の意識下では違いはない、ということになりますね。

―― ではご自身が作曲した作品を弾くときと、他の作曲家が作曲した作品を弾くときでは違いはありますか。
理想を言えば、違いはありません。他者の書いた作品であれば、できる限り自分の中に取り込んでその作品と一体化しようとします。そうすることで初めて私は真の自由を得て演奏をすることができるのです。

―― オペラを作曲することには興味をお持ちですか。
また、もし作曲をするとしたらどのような作品を作曲したいですか。
正直言って、オペラはあまり作曲したくありません。オペラは過去の形態です。ワーグナーの総合芸術(Gesamtkunstwerk)はそのクライマックスでした。一方、ブロードウェイのミュージカルはプッチーニの・オペラのスピンオフ、つまりそこから派生的に生まれたものです。確かに20世紀においても重要なオペラは作曲されましたが、それらとて19世紀の劇的な経験に基づくものでしかないのです。

―― あなたの音楽には社会的なメッセージはこめられていますか。
それは私が言うべきことではないかもしれませんが、答えはイエスです。私は自分の音楽がある特定の人々ではなく、多くの人の心に届いて欲しいと願っています。でもこれって、言うは易し、行うは難し、ですね。先日、刑務所や老人ホームでコンサートを行う、といった社会的なプロジェクトを行っているバルセロナの地元のオーケストラの人たちと話しをしたのですが、私自身もある時期が来たら、このような活動に関わりたいと考えています。

日本ツアー

―― 今回の日本ツアー(特にHakuju Hallでのコンサート)のプログラムの意図について少しご説明いただけますか。
私のプログラムは、二つの大きなレパートリーに焦点を合わせています。ひとつはバロック(バッハ)であり、もうひとつが現代音楽(ストラヴィンスキーと私自身の作品)です。さらにもうひとつの重要な要素がダンスです。(バッハの組曲はそれぞれ異なる舞曲の楽章によって構成されていますし、ストラヴィンスキーのペトルーシュカはもとはバレエ曲でした。)ハイドンの変奏曲は古典であり、前半は中断なしで続けて演奏されます。これは2つのターンテーブルとミキサーを用いて演奏するDJのような感じです。私は一見とてもかけ離れているように見えるレパートリーが実はとても自然に共生できることを皆さんにぜひ体験していただきたいのです。これは私の音楽観にも通じるものであり、私からすれば伝統と創作の間にギャップは存在しないのです。すべては音楽と言う名の、同じプロセスの一部に過ぎません。

―― バッハの4つのデュエットはとても不思議な作品ですが、この作品を選ばれた意図を教えてください。
確かに本当に不思議な音楽ですよね。タイトル然りです。バッハは一人の人間のためのデュエットを書いたのでしょう。それは一人の人間には2本の手があるからです。バッハは左手と右手を最大限に自立させて演奏することを求めているのです。その言語はかなり半音階的であり、まさに実験的作品と呼ぶにふさわしいものだと思います。

―― ご自身の作品の題名についてご説明願えますか。
Hello(ハロー)は現在も進行中の作品です。最初にレコーディングを行ったのは2005年のことでした。その後、多くのリサイタルのオープニングに演奏してきました。このタイトルはデトロイトのプロデューサー、ケニー・ラーキンが1994年に発表した曲に由来しています。この作品はかなりの部分を即興的な構成に負うもので、コンサートのたびに変化します。強弱は多様ですが、和声はそうでもありません。
Nach Wasser,Noch Erde(水を求めて、それでも地球)は、未来の地球の状況、つまり、水不足に直面した惑星地球を映し出す作品です。それは瞑想であり、"停滞"対"動きや流れ"の概念に分け入るものです。

これらの作品はともにミニマリズムであり、物語を語ると言うよりも、作品そのものが物語です。それは何時間でも続けることが可能、、、。

プログラム(Hakuju Hall公演) 2010年2月21日(日) 14:00開演(13:30開場)
フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ : ハロー (2005)
Francesco Tristano Schlim Hello (2005)
   
J.S.バッハ : 4つのデュエット BWV. 802〜805
Johann Sebastian Bach : 4 Duets, BWV. 802-805
   
ハイドン : アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob. XVII:6
Franz Joseph Haydn : Andante con variazioni in F minor Hob. XVII:6
   
フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ : 水を求めて、それでも地球 (2007)
Francesco Tristano Schlim Nach Wasser, noch Erde (2007)



J.S.バッハ : フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV. 817
Johann Sebastian Bach : French Suite No.6 in E major BWV. 817
   
ストラヴィンスキー : タンゴ
  ペトルーシュカからの3楽章
Igor Fyodorovitch Stravinsky : Tango
  3 movements from Ptrouchka


【続きは10月1日(木)アップ予定!】

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