第23回 ワンダフルoneアワー
小橋敦子トリオ ジャズ・ライヴ

気品と洗練のヨーロピアン・ジャズをピアノ・トリオで

2016年11月17日(木)

①15:00開演(14:30開場) ②19:30開演(19:00開場) ※休憩なし約1時間

各回全席指定3,000円(税込)

ヨーロッパ・ジャズの伝統を誇る本場オランダで、ジャズ・ピアニストとして活躍する小橋敦子。ヨーロピアン・ジャズ・トリオとしての活動でも著名なベーシスト、フランス・ヴァン・デル・フーヴェン。小橋、フーヴェンとの共演も多い、ドラムスのセバスティアン・カプテイン
クラシックの伝統に裏打ちされた、洗練されたアレンジと美しい構成が特徴のヨーロッパ・ジャズ。その殿堂として知られるオランダの実力派アーティスト達からなるピアノ・トリオは、ライヴハウスではなく室内楽ホールでこそそのパフォーマンスが最大限に発揮されるといえるでしょう。
このトリオで昨年リリースしたCDのタイトルにもなっている、ヘンリー・マンシーニの「ルージョン(Slow hot wind)」などのポピュラーソング、デューク・エリントン「ソリチュード」などのスイングジャズナンバー、ミステリアスな雰囲気を持つウェイン・ショーター「フットプリンツ」などのモダンジャズナンバーまで、その魅力をたっぷりとお楽しみください。

[出演]

小橋敦子(ピアノ)
フランス・ヴァン・デル・フーヴェン(ベース)
セバスティアン・カプテイン(ドラムス)

[プログラム]

マンシーニ:ルージョン
チャップリン:スマイル
マイルス・デイヴィス:フラン・ダンス
ハッチャーソン:リトル・ビーズ・ポエム
エリントン:ソリチュード
ウェイン・ショーター:フットプリンツ
ラルフ・タウナー:ドリフティング・ペタルス

[プロフィール]

小橋敦子(ピアノ) Atsuko Kobashi, piano

オランダ・アムステルダム在住。慶応義塾大学在学中に学生ビッグバンドのピアニストとして活躍。1994~2001年ニューヨークに滞在、スティーブ・キューンに師事。05年オランダに活動の拠点を移し09年にフランス・ヴァン・デル・フーヴェンとのデュオCD「アムステル・モーメンツ」をリリース、13年日本ツアーで国内4公演を行い成功を収める。オランダでは林の中の元教会で演奏と共に日の出を迎える「サンライズ・コンサート」など自然なサウンドへの真摯な拘りが高い評価を得、ジャズファンのみならず音楽愛好家の間でも注目を集めている。主な作品にヴァン・デル・フーヴェンとのデュオ「アムステル・モーメンツ」「ワルツ・フォー・デビー」、カプテインとのデュオ「デュアルトーン」、井上陽介とのデュオ「ターナラウンド」など。

フランス・ヴァン・デル・フーヴェン(ベース) Frans Van Der Hoeven, bass

現代オランダを代表する実力派トップ・ベーシスト。ロッテルダム及びアムステルダム音楽院でジャズを学ぶ。アート・ファーマー、リー・コニッツ、ジャック・ディジョネット、トゥーツ・シールマン、ジェシ・ファン・ルーラーなど欧米の一流ミュージシャンと共演。参加CDは80作を越える。確かなテクニックと豊かな音楽性に定評があり、日本ではヨーロピアン・ジャズトリオのベーシストとして知られ来日経験は豊富。現在、演奏活動と共にアムステルダム音楽院で後進の指導にも当る。

セバスティアン・カプテイン(ドラムス) Sebastiaan Kaptein, drums

オランダ出身。現在沖縄在住。1996年オランダ・フローニンゲン音楽学校卒業。その後奨学金を得てニューヨークに留学。40カ国以上での演奏経験を持ち、アフリカの楽器にも精通、ジャンルを越えた幅広い音楽性に注目の集まるオランダ人ドラマー。2011年「ライブ・アット・カフェアルト」をリリース、東京ジャズフェスティバルに出演。主な共演者にトゥーツ・シールマンス、ブラッド・メルドー、ジェシ・ヴァン・ルーラー、ベンジャミン・ハーマンなど。

後援:オランダ王国大使館

オンライン予約

Hakuju Hallチケットセンター 電話:03-5478-8700

10:00~18:00
火~土(祝日・休館日を除く)

【DM会員先行発売】
4月23日(土)~4月28日(木)
※日・月・祝日 休み
【一般発売】
5月7日(土)~

1950年代に秋吉敏子が扉を開いた邦人女性ジャズ・ピアニストの海外進出の道は、この半世紀以上の間に、欧米各国で大きな花を咲かせてきた。2005年にオランダ・アムステルダムへ移住して10年以上のキャリアを重ねてきた小橋敦子は、このジャンルでは他に例のない個性を獲得しており、4枚のアルバムを通じて日本のリスナーにも遠く欧州から折々に近況を報告。聴き巧者からも高い評価を受けて、独自のポジションを築いている。

小橋は「音」には温度、色、匂い、味があり、それゆえにリスナーの五感を刺激する、と考える。楽曲の調性やテンポによって、それらの音の要素が変化するもの、だという自身の音楽観を、このように表明したピアニストは他に知らないし、おそらくいないと思う。
共にアルバムを制作したデュオ・パートナーであるベースのフランス・ヴァン・デル・フーヴェンと、ドラムスのセバスティアン・カプテインが合体する形でトリオが結成され、昨年デビュー作「ルージョン」を発表。ヨーロピアン・ジャズ・トリオやアムステルダム・ジャズ・コネクションの一員としての彼らとは異なるサウンドがそこにあって、驚いたリスナーも少なくないだろう。理由が何かと探れば、3人がお互いに発する音に注意深く耳を傾け、微妙な音の表情やニュアンス、色彩感を意識しながら、演奏しているからだ。「フットプリンツ」「クワイエット・ナウ」等のカバー曲が新鮮に響くのは、アレンジの斬新さによると言うよりも、デュオ・キャリアの上にこのトリオが成り立っている、特別な事情に他ならない。そして前述の小橋の音楽観をオランダ出身の二人も共有することで、すこぶる魅力的なトリオが生まれたのである。

今回アコースティックな音響に優れるHakuju Hallに出演するのは、小橋トリオの素晴らしさをさらに美しく引き出す点で大いに期待が寄せられる。欧州発、現代トリオ・ジャズを体感する絶好の機会が今から楽しみだ。

杉田宏樹(音楽評論家)