大谷康子のヴァイオリン賛歌

第3回 <愛>

横山幸雄(ピアノ)
― 聴衆の皆様とともに創りあげる10年プロジェクト ―

全席指定4,500円(税込)
第3回 <愛>
(C)尾形正茂

「大谷康子のヴァイオリン賛歌」は、クラシック音楽のファン層を広げたいという熱い思いを抱くヴァイオリニスト大谷康子が、ハクジュホールのお客様と一緒に築いていく10年がかりのプロジェクトです。第3回のテーマは「愛」。シューマンと名ピアニスト・クララの恋愛と結婚。シューマンがその才能を認め引き立ててきたブラームスの、シューマンへの敬愛。ブラームスがシューマンの妻クララへ寄せた深い愛。そしてブラームスが才能を見出したドヴォルザークとの友愛。さまざまな形の “愛” でつながったロマン派の天才達と、その愛から生まれた傑作を、お話も交えてお贈りします。共演はショパン国際ピアノコンクールに日本人として史上最年少で入賞して以来、人気・実力ともにトップアーティストとして活躍するピアニスト横山幸雄。ロマン派音楽に深い造詣を持ち、ロマンチストでもある横山幸雄とともに、愛にあふれる世界に皆様を誘います。

出演

大谷康子(ヴァイオリン)
横山幸雄(ピアノ)

プログラム

第3回 <愛>


  • R.シューマン:「子供の情景」より “トロイメライ” op.15-7
  • R.シューマン:「ミルテの花」より “献呈” op.25-1
  • C.シューマン:3つのロマンス op.22
    R.シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 op.70
  • R.シューマン:「3つのロマンス」より 第2番 イ長調 op.94-2
  • ブラームス:「F.A.E.ソナタ」より “スケルツォ”

  • ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品 op.75
  • ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.100

プロフィール

大谷康子(ヴァイオリン) Yasuko Ohtani, violin

今年デビュー43周年を迎えた人気・実力ともに日本を代表するヴァイオリニスト。1708年製(今年310周年)ピエトロ・グァルネリを使用。華のあるステージ、深く温かい演奏で聴衆に感動と喜びを届けており「歌うヴァイオリン」と評される。東京藝術大学、同大学院博士課程修了。在学中よりソロ活動を始め、ウィーン、ローマ、ケルン、ベルリンなどでのリサイタル、トロント音楽祭、ザルツブルグ市などに招待され好評を得る。スロヴァキアフィル、シュトゥットガルト室内楽団、キエフ国立フィルなど国内外の著名なオーケストラと共演を重ねており、1公演で4曲のヴァイオリンコンチェルトを演奏する前代未聞の快挙を達成し話題となった。2017年5月にはウィーンのムジークフェラインでリサイタルを開催。同月 “キエフの春音楽祭” に招聘され、キエフ国立フィルと共演(今年夏にはキエフ・コンサートホール創立155周年に再び招待され、再共演する)。また夏にはロシアの名門「モスクワ・フィル」の日本ツアーにソリストとして出演し絶賛を博した。CDはベストセラー「椿姫ファンタジー」(SONY)のほか、ベルリンでの録音による「R.シュトラウス/ベートーヴェン・ソナタNo.5」(SONY)も評価が高い。その他、新譜「お菓子な名曲サロン」(KING)など多数。文化庁「芸術祭大賞」受賞。東京音楽大学教授。東京藝術大学講師。(公財)練馬区文化振興協会理事長。川崎市市民文化大使。高知県観光特使。(公財)日本交響楽振興財団理事。現在、BSジャパン(テレビ東京系列にて毎週土曜日の朝8時から放送)「おんがく交差点」にて春風亭小朝と司会・演奏を務め、注目されている。

大谷康子
© 尾形正茂

横山幸雄(ピアノ) Yukio Yokoyama, piano

1990年ショパン国際ピアノコンクールにおいて歴代の日本人として最年少で入賞し、文化庁芸術選奨文部大臣新人賞など数多の賞を受賞。以来、人気実力ともに常に音楽界をリードするトップ・アーティストとして活躍している。ショパン生誕200年を迎えた2010年に、ポーランド政府より、ショパンの作品に対して特に顕著な芸術活動を行った世界で100名の芸術家に贈られる「ショパン・パスポート」が授与される。同年「ショパン・ピアノ・ソロ全166曲コンサート」を行う。多くの観客に感動と反響を巻き起こし、ギネス世界記録に認定されたこの公演は、毎年少しずつ形を変えて、ゴールデンウィークの恒例コンサートとなる。11年デビュー20周年記念コンサートでは、チャイコフスキー、ラヴェル、ラフマニノフの協奏曲を一晩で演奏し、満場の喝采を博す。13年からベートーヴェン生誕250周年に向けてのシリーズ「ベートーヴェン・プラス」をスタートさせるなど、自ら企画する数々の意欲的な取り組みにより、高い評価を確立している。リリースされたCDは、文化庁芸術祭レコード部門優秀賞、国際F.リスト賞レコードグランプリ最優秀賞等栄えある賞を受賞。11年上野学園石橋メモリアルホールで行った「横山幸雄プレイエルによるショパン・ピアノ独奏曲全曲集」をホールとキングレコードとの共同事業(全12タイトル)でCDリリース、また、12年にデビュー20周年記念コンサートのライヴ録音のCDをリリースした。アールアンフィニ・レーベル(ソニー・ミュージックダイレクト/ミューズエンターテインメント)からリリースされた「プレイズ・リスト2013」、「プレイズ・シューマン2014」、「プレイズ・モーツァルト2015」、「アンプロンプチュ.シューベルト即興曲集」、「雨だれのプレリュード.ショパン名曲集」はいずれも連続してレコード芸術誌で特選となった。最新CDは「ファンタジー」(17年9月リリース)。TOKYO FM「横山幸雄のピアノでめぐり逢い」のパーソナリティをつとめ、東京と京都にレストランをオープンし音楽と旬の食をプロデュースするなど、活躍は多岐にわたる。上野学園大学教授、エリザベト音楽大学客員教授、日本パデレフスキ協会会長。

横山幸雄
© アールアンフィニ

[公演テーマ(全10回)]

第1回 <尊敬> 2016年
東京藝術大学に学んだころ、音楽の神様たちと向き合うところから大谷の音楽人生は始まりました。そして、その尊敬の念は今も変わらず、音楽の方向性に思い悩む時、立ち返るのが、この偉大な作曲家たち(J.S.バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、バルトーク)の音楽です。

第2回 <敬愛> 2017年
サラサーテのツィゴイネルワイゼンを中心に、ロマの音楽やサラサーテを巡る数々の音楽家の曲を集めます。ツィゴイネルワイゼンは大谷康子が弾き込んできた、もっとも得意とする曲です。

第3回 <愛> 2018年
愛には様々な形がありますが、愛を巡るロマン派の巨匠たちの音楽を取り上げます。
クララ・シューマン、ロベルト・シューマン、ブラームス、ドヴォルザーク…
師弟愛、恋愛、友愛が織りなす人間関係は彼らロマン派の作曲家の音楽として結晶したのです。

第4回 <愛情>
教え子たちと音楽をする時間は至福の時間です。子弟とは先生と弟子の関係であり、お互いに切磋琢磨する同行の士。大谷康子の薫陶を受けた音楽家たちがその精進の末につかんだ音楽を聴衆の皆様にお聴かせします。

第5回 <情熱>
大谷康子は、実はタンゴが好きなのです。題名のない音楽会に出演しだした頃から、その才能は故黛敏郎先生や番組スタッフに絶賛されていました。大谷康子が得意とするタンゴや映画音楽の濃厚で熱い世界をご堪能いただきます。

第6回 <忘我>
大谷康子の性格をひとことで表すと「忘我」。時間を忘れ、食事を忘れ、レッスンも終わりを知らず、我を忘れて、大声を張り上げ… 熱心なあまりに、やりだすと止まらない性格。ということで、聴衆の皆様にも大谷康子のレクチャーコンサートを受けていただきましょう。超有名小品と、ピアノ伴奏ではなかなか聴けないヴァイオリンコンチェルト付きで。

第7回 <好奇心>
ヴァイオリンが趣味、と言い切れる大谷康子!!でも、実は他にも夢中になれることがいろいろあります。好きなことは、美術、古典芸能、演劇鑑賞…なかでも、お菓子を食べながら、鉄道や船や飛行機に乗ることが大好きなのです。皆様をそんな好奇心溢れる音楽の旅にいざないます。

第8回 <日本>
私たちの生まれ育った国-日本。お母さんが歌ってくれた歌、故郷に伝わる童謡、民謡。そして世界へ羽ばたこうとした日本のクラシック音楽の作曲家たち。私たち日本人の音楽を、大谷康子の奏でる調べで改めて振り返ります。

第9回 <未来>
未来をつくるのはこどもたち!大谷康子がヴァイオリンを始めたのは3歳の時、今はつたなくても楽器を学ぶことで広がる世界、感じる心は育まれる。こどもの頃にスター音楽家に憧れたように、この子たちにも「音楽を通して明るい未来を!」。大谷康子が幼稚園生や小学生とも共演する、未来に飛翔する音楽会です。

第10回 <夢。音楽の力で世界をひとつに♪>
音楽の持つ力で、民族・国境を越えて、世界中を仲良く、ひとつにし、明るい未来を創ろうという感動のフィナーレです。