渡辺玲子 プロデュース
レクチャーコンサート vol.3 知る、聴く、喜び ~時代を彩る名曲とともに~

ブラームスとR.シュトラウス ヴァイオリン・ソナタに隠された世界

2017年10月31日(火)

19:00開演(18:30開場)

全席指定4,000円(税込)

知的好奇心を刺激する、体が “知る、聴く、喜ぶ” 新体験!世界的ヴァイオリニスト・渡辺玲子によるレクチャーコンサート。
今回も引き続きブラームス作品を取り上げますが、それぞれ「詩」に関連付けられる2曲の秘密を探っていきます。
1曲目は中世の雰囲気が残る美しいスイスの避暑地、トゥーン滞在中に書かれた、ヴァイオリン・ソナタ 第2番。ブラームスの歌曲作品「我が愛は緑」「歌の調べの如くに」のメロディーが引用されています。2曲目は「4つのバラード」の中で、最もバラード的で劇的な迫力を持つ、人気曲の第1番。父親の殺害を内容とする、ドイツロマン派の詩人ヘルダーの抒情詩「スコットランドのバラード“エドワード”」に題材をとった作品です。
さらに、若き日のリヒャルト・シュトラウスが残した唯一のヴァイオリン・ソナタも掘り下げていきます。交響詩やオペラの作曲へ向かう転換期に書かれた作品ですが、ヴァイオリンと対等に渡り合うピアノの存在感、華やかな作風は、後の作品を想起させます。
グロテスクなものや死に関するものへの憧れに特徴づけられる19世紀を生きた、二人の作曲家。
楽譜に記された音符、音型、調性―その背景には、作曲家が意図した隠されたメッセージがあるはず?!一見難しいと感じるようなクラシックの名曲の数々を、ピアニスト江口玲とともに紐解いていきます。

[出演]

渡辺玲子(ヴァイオリン)
江口玲(ピアノ)

[プログラム]

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.100
ブラームス:「4つのバラード」より 第1番 ニ短調 op.10-1(ピアノ・ソロ)
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.18
(順不同)

[プロフィール]

渡辺玲子(ヴァイオリン) Reiko Watanabe, violin

渡辺玲子は、超絶的なテクニック、玲瓏で知的な音楽性、切れ味鋭い官能性とその広いレパートリーで日本のみならず世界のヴァイオリン界をリードする逸材である。第50回日本音楽コンクールにおいて最年少優勝(15歳)、同時に第1回増沢賞(全部門を合わせて最も優れたものに与えられる賞)を受賞、翌年の「若い芽のコンサート」でNHK交響楽団とバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番を共演、衝撃的なデビューを飾った。その後も1984年ヴィオッティ、86年にパガニーニ両国際コンクールで最高位を受賞。85年からは、ジュリアード音楽院に全額奨学生として留学し、92年に学士と修士を取得。ニューヨークを本拠地として、世界各地でオーケストラとの共演、リサイタル、音楽祭への参加と国際舞台で目覚ましく活躍している。フランスのフィガロ紙は「彼女は全曲を通じ、文句のつけようのないほど見事であり、その光あふれる音色と、一種言葉にできないような魅力が全曲を通じ、疑いを差し挟む余地のない優美さに輝いていた」、ワシントン・ポスト紙は、「身についた優美」と見出しを掲げた記事で絶賛し、シラキュース(アメリカ)のヘラルド・ジャーナル紙は、「マリア・カラスがもしもヴァイオリニストであったなら、彼女のように弾くだろう」と書いた。これまでに国内の主要オーケストラはもとより、ワシントン・ナショナル響、ロザンゼルス・フィル、セントルイス響、ヴァンクーヴァー響、フィルハーモニア管、BBC響、ウィーン・トーンキュンストラー管、ロシア・ナショナル管、サンクトペテルブルク響、バンベルク響等と共演、また、日本フィルハーモニー管弦楽団のヨーロッパ・ツアー、東京交響楽団のアメリカ・ツアーにもソリストとして同行している。リサイタリストとしても意欲的に活動、ニューヨーク・タイムズ紙はその演奏を「圧倒的なテクニック、華麗な音色、劇的な音楽表現」と評し、見出しに「ヴィルトゥオーゾの圧倒的迫力に脱帽」と掲げて絶賛した。このほか、ワシントンのケネディー・センターやラヴィニア音楽祭、イタリアのストレーサ音楽祭等に出演、2013年にはミラノとラヴェンナでG.アレヴィ作曲のヴァイオリン協奏曲を演奏し現地の聴衆に圧倒的な熱狂をもって迎えられた。アジアでも活躍の幅を広げており、香港フィルと中国ツアーのソリストを務めたほか、武漢交響楽団とも共演、台湾にも度々招かれている。また、欧米で高い評価を得ているダンス・カンパニー「Noism」とケネディ・センター等で度々共演するなどダンス、バレエとのコラボレーションも積極的に行う。演奏の素晴らしさに加えて、その時代を見通したユニークなプログラミングは、11年から始まった「青少年のためのレクチャーコンサート」の全国展開、15年に東京・Hakuju Hallで立ち上げた、大人のためのレクチャーコンサートも注目を集めている。レコーディング・アーティストとしてのデビューは、ドレスデンにおいてジュゼッペ・シノーポリ指揮ドレスデン・シュターツカペレと共演したベルクのヴァイオリン協奏曲で、演奏会と同時にテルデック・レーベルによってCD録音が行われ、97年にリリースされると同時に高く評価された。その他、これまでに“マイ・フェイヴァリッツ”、”バッハ無伴奏ソナタ&パルティータ”、“チャイコフスキー&ショスタコービッチ:ヴァイオリン協奏曲”、“カルメン・ファンタジー”、無伴奏作品集“SOLO”等がある。17年4月には最新CD“AIR & DANCE on Violin”をリリース。04年からは演奏活動の傍ら教育にも携わり、秋田の国際教養大学特任教授として、音楽を専攻していない若者にも音楽の深さを知ってもらおうと集中講義(「音楽と演奏」)を行っている。東京生まれ、松井宏中、鈴木共子、田中千香士、堀正文、大谷康子、海野義雄の各氏に師事、その後アメリカに渡り、J.フックス、J.ラタイナー、F.ガリミア、S.ローズ、I.スターンの各氏に師事、他にN.ミルシテイン、J.ギンゴールドのマスタークラスも受講している。05年、第35回エクソン・モービル音楽賞奨励賞受賞。使用楽器は、日本音楽財団より貸与されている1736年製グァルネリ・デル・ジェス「ムンツ」。


(C)Yuji Hori

江口玲(ピアノ) Akira Eguchi, piano

「非凡なる芸術性、円熟、知性」(ニューヨーク・タイムズ紙)と評される江口玲はソリスト、室内楽奏者、チェンバロ奏者として世界中の聴衆と批評家たちを魅了してきた。ニューヨーク・タイムズ紙からは「流暢かつ清廉なるピアニスト」と賞賛され、これまでにカーネギーホール、92丁目のYMHA、ワシントンDCのケネディー・センター、ウィーンのムジークフェライン、ロンドンのバービカンセンター、パリのシャンゼリゼ劇場等でも演奏している。その抜きんでた演奏は、ホワイトハウスにて故アイザック・スターン氏によりクリントン大統領に紹介され、また東京の浜離宮朝日ホールでの演奏会には天皇皇后両陛下もご臨席された。アメリカ、アジア、ヨーロッパ諸国等、今まで演奏で訪れた国は25カ国に及ぶ。室内楽の分野でも、ギル・シャハム、竹澤恭子、諏訪内晶子、アン・アキコ・マイヤース等、数多くのヴァイオリニスト達から絶大なる信頼を得て、共演を重ねている。レコーディングにおける活躍も目覚ましく、ドイツグラモフォン、フィリップス、DENON、IDVC、マーキークラシックス、ビクター、ヴァンガード、BMG、佼成出版、NYS CLASSICS等から30枚以上のCDが出ている。2002年春にNYS CLASSICSより発売されたソロアルバム、「Dear America,」はレコード芸術から特選盤に選ばれ、「極上のエンターテイメント」「ガーシュインの霊が乗り移ったかのよう」と評された。また、2枚目のアルバム、「巨匠たちの伝説」はカーネギーホールオープン時にステージ上にあった1887年製のピアノを使用し、カーネギーホールで録音された。09年7月には過去の浜離宮朝日ホールでの4回にわたるリサイタルから抜粋された「ライヴ!ソナタ集」と「ライヴ!小品集」が発売され、続く「Dear Chopin」、「リスト/巡礼の年第二年“イタリア”」、最新盤である「ベートーヴェン三大ソナタ」等も同じく特選盤に連続選出され続けている。東京に生まれ、東京芸大附属音楽高校を経て東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業、その後同校にて助手を務めた後、ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。ピアノをハーバート ステッシン、外山準、金沢明子、伴奏法を故サミュエル サンダース、作曲を佐藤眞、北村昭、物部一郎の各氏に師事。11年5月までニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教鞭を執る。06年より洗足学園音楽大学大学院の客員教授を務める他、11年4月より東京芸術大学ピアノ科の准教授に就任。現在もニューヨークと日本を行き来して演奏活動を行っている。


(C)堀田力丸

オンライン予約

Hakuju Hallチケットセンター 電話:03-5478-8700

10:00~18:00
火~土(祝日・休館日を除く)

【DM会員先行発売】
4月22日(土)~5月12日(金)
※日・月・祝日 休み
【一般発売】
5月13日(土)~

メッセージ

音響が素晴らしく、サロンのように親密な距離感で聴いていただけるHakuju Hallで、2015年から始まった大人向けのレクチャーコンサートも、vol.3となりました。パートナーには、作曲家としての側面も持つ国際的に活躍するピアニスト江口玲さんを迎え、演奏家から見た作品の魅力や、作曲家が音に込めたメッセージをひとつひとつ具体的に紐解いていきます。

シリーズの前2回で好評だった名曲ソナタの解説という路線を継承し、今回はブラームスのイ長調ソナタ(1886年)とリヒャルト・シュトラウスの唯一のヴァイオリン・ソナタ(1888年)をメインに取り上げます。1833年ハンブルクに生まれ、19世紀後半ドイツ文化圏を中心に活躍し、名声のうちに1897年に世を去ったブラームスと、1864年ミュンヘンに生まれ、指揮者としても華々しく活躍しながら、2つの世界大戦を経て20世紀の半ばまで生き、晩年は時代錯誤と批判されたR.シュトラウス。この二人の直接的な出会いがあったのは1885年のマイニンゲン、その直後の数年に書かれた2つのソナタを並べて聴くことで、その後の20世紀における音楽史の流れも興味深く見えてくるのではないでしょうか。と同時に、室内楽的な内省性(ブラームス)と、管弦楽的な華麗な色彩(シュトラウス)という、一見対照的な二人の個性のつながりも見えてくると考えています。

このvol.3は、2018年1月開催のフィリアホールのコンサートとも内容的に連動させ、19世紀半ばから20世紀前半にかけてのヨーロッパの音楽史的な変遷を見ていこうという新しい試みです。演奏も本格的に楽しんでいただきながら、演奏家としての視点で一歩踏み込んだ解釈をお話しする、そんなコンサートにしたいと思っています。

渡辺玲子

関連公演情報

【公演名】
「マイ・フィールド」トーク&コンサートシリーズ
《私の人生、私の音楽》
第6回 渡辺玲子&江口玲
ヴァイオリン&ピアノ、名曲に隠された秘密

【日時】
2018年1月27日(土) 15:00開演
【会場】
青葉区民文化センター フィリアホール
【出演】
渡辺玲子(ヴァイオリン)、江口玲(ピアノ)

【プログラム】
エルガー:愛の挨拶
クライスラー:ウィーン奇想曲
R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」よりワルツ
R.シュトラウス:「5つの歌」より子守歌
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
ラヴェル:ツィガーヌ
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 op.45

【チケット】
全席指定¥3,500 学生¥1,500
一般発売:2017年4月8日(土)11:00
※発売日は電話・Webのみ受付

【お申込み・お問合せ】
フィリアホールチケットセンター
045-982-9999 (11:00~18:00)
・24時間オンライン予約
http://www.philiahall.com/
・モバイルサイト
http://www.philiahall.com/mobile/